2022.03.15

TOPICS

電話工事を行うには【 資格 】が必要です

会社で利用しているビジネスフォンは、複数の内線や外線を共有できる便利な電話システムです。ご存知でない方も多いと思いますが、ビジネスフォンの導入には資格保有者の工事が必要となります。ビジネスフォン工事には工事担任者(担当者)が必須なのです。

ビジネスフォンの工事は、国家資格である「工事担任者」の有資格者が工事を監督する、もしくは施工する必要があります。
ビジネスフォンは一般の電話(家庭用)とは異なり、社内の電話機同士をつなぐ主装置(交換機)が必要です。主装置(交換機)は設定が非常に複雑で、電話配線工事等も必要になる為、電話線を買って来て繋げればいいなんて素人が扱えるものではありません。

また、社内で資格のない社員に設置を任せると電気通信事業法違反になってしまいます。

 

工事担任者の仕事の範囲

「工事担任者」は下記の7つに細分化され、業務範囲が異なります。

 

AI種(アナログ回線)

全国的にサービス提供されている基本的なサービスであり、かつ、技術、サービスの類似したアナログ電話及び総合デジタル通信サービス(ISDN)に関わる端末設備等の接続を工事の範囲とし、接続する電気通信回線の規模に応じて、第1種~第3種が設けられています。

 

AI第1種

全てのアナログ電話回線及び全てのISDN回線への接続工事が、工事の範囲に含まれます。AI種の工事であれば、回線数や工事の規模等に制限はありません。

AI第2種

第1種と同様、アナログ伝送路設備に端末設備などを接続する工事が行えます。ただし電気通信回線の数が50以下、かつ内線の数が200以内と制限されています。

AI第3種

第1種、第2種と同様に、アナログ伝送路設備に端末設備などを接続できますが、アナログ電話、ISDNいずれの場合も、回線の数は1に限定されており、主に家庭内またはこれと同等規模の接続工事が想定されます。なお、回線数が1であっても、端末については技術基準の範囲内であれば複数の台数が設置可能です。

 

DD種(デジタル回線)

ブロードバンドインターネット、広域イーサ等のデジタルデータ伝送サービスに関わる接続を工事の範囲とし、電気通信回線の速度(規模相当)並びにサービスのグレード等に応じて、第1種~第3種が設けられています。

 

DD第1種

DD種は、デジタル回線の工事が行える資格です。DD第1種の資格保有者は、ISDNを除くすべてのデジタル回線への接続工事を行うことができます。LANケーブルの配線、高速通信のネットワーク接続などもDD第1種の資格保有者であれば施工可能です。

DD第2種

ISDNを除く毎秒100メガビット以下のデジタル回線において、デジタル伝送路設備に端末設備などを接続する工事が行えます。大企業ではなく、中規模・小規模の営業所やオフィスでの接続工事が想定されます。

DD第3種

第1種、第2種と同様、ISDNを除くデジタル回線の接続工事が行えますが、その範囲は家庭向け、特に回線速度毎秒1ギガビット以下の小規模な工事に限られています。

 

AI・DD総合種

AI第1種とDD第1種の両方の工事範囲を含み、工事担任者の全ての工事の範囲を包含します。なおAI第1種とDD第1種の資格者証を両方取得した場合は、申請により、本資格者証を取得することができます。この資格を取得していれば、ビジネスフォンの工事だけでなく、大規模なLANケーブルを使ったネットワーク接続等も行う事が可能です。

工事担任者の資格取得方法

工事担任者の資格取得には受験資格がないため、誰でも勉強して試験を受けることができます。もっとも難易度の高いAI・DD総合種の場合、合格率は平均して20%前後です。

ビジネスフォンの工事に工事担任者の資格が必要となると、社員の誰かに資格を取らせればよいのではないかと考える経営者は少なくありません。専門業者に工事を依頼するよりも安価で余計な手間が掛からず、すぐに工事が行えるからです。

しかし、社員が資格を取得したからといって工事を任せるのは、おススメな方法とはいえません。

 

実際には電話線やLANケーブル、また専用の工具が必要だったり、ある程度の経験や知識が必要だったりします。ビジネスフォンもメーカーにより接続・設定方法は異なり、新商品が発売される時には研修や説明会もあります。

 

つまり、当然ですが資格を持っているからといって、すぐに全ての工事が行えるわけではありません。下手にデータを変更した結果、元にも戻せなくなってしまう・・・という事もあり得るのです。

 

ビジネスフォンに関する工事は、私共のような電話工事会社に依頼するのがもっとも確実な方法です。